学園祭で展示する用に、妹に依頼して描いてもらったキャラクターにwotakuさんのシビュラを踊ってもらいました
布がとても良いです。
制作の流れは
1.Vroidでモデリング、VRMで書き出してPMXに変換
2.Marvelous Designerで服の作成
3.PMXエディタで物理演算の設定
4.作成したモデルにMMDでモーション流し込み、モーション修正
5.MMDBridgeでAlembic書き出し
6.Marvelous Designerでクロスシミュレーション、Alembicエクスポート
7.Blenderに全部入れてレンダリング
8.AEで動画編集
こんな感じです。やったことをつらつらと書いていきます
1. Vroidでモデリング
妹にキャラデザを頼んで女の子を錬成してもらいました。「白髪赤眼の女の子で、動きが映えそうなスカートで、袖はないor短くて、できればワイの好みを反映した服」という無茶振りとpinterestのボードを投げたらめちゃくちゃ可愛いのがきました。ありがとう…
妹のTwitter:@P5aftU
妹も私もキャラクターの名前を考えることができないので名前がないです。とりあえずファイル名はしろ子にしてます。白いので…
いつも通りVroidで素体を作りました。
めっちゃかわいい。
良い感じに髪と顔ができたらVRMでエクスポートして、vrm2pmxConverterでPMXに変換します
2. Marvelous Designerで服の作成
PMXのモデルをMMDに読み込み、TポーズにしてMMD Bridgeで一回Alembicで書き出します。
作成したAlembicをBlenderで髪とそれ以外に分け、それをMarvelous Designer(以下MD)に取り込んで服を作っていきます
MDでは型紙と縫い合わせ線を指定して、シミュレーションしながら服を作ります。洋裁の知識さえあれば簡単にリアルな服が作れるのです( ΦᆺΦ)!(リトポは大変ですが…)
できたものはこれです。上はビスチェを改変したもの、袖はパフスリーブ、下は全円でフィッシュテールスカートにしました。
この辺りは裁縫の知識が活かせるので楽しい
袖はクロスシミュレーションしないのでPMXエディタに持って行ってスキニングします。
3. PMXエディタで物理演算設定
ちまちまと髪の物理演算を修正します。この時点ではスカートなどを着ていないのでその点は楽です。
ここでの作業は、
ウェイトごとに材質分割
↓
ボーン・剛体・ジョイントの位置・大きさ・回転の修正
↓
ウェイトがグラデーションになるように修正
です。自分の中でやり方が整ってきたので早いけれど、ひたすら単作業なので辛い。
作業内容はVroid製PMXの髪を綺麗にする方法としてここに書いてみました
4. MMDでモーション流し込み、修正
モデルができたらMMDに読み込んでモーションを流し込みます。
クロスシミュレーションのために、最初はTポーズにしてそこから50フレーム以上かけてモーションの開始フレームに変化するようにしておきます。この段階ではめちゃくちゃ下着で踊らせているので申し訳ない
身長に合わせてボーン位置角度補正をして、クロスシミュレーション時に破綻しないように腕と体が重なっているところなどをちまちまと修正します。後述の理由で今回はあまり直していませんが
修正をしたら、MMD Bridgeを使用してAlembicに出力します。こうすることでMMDの髪の物理演算をベイクしてBlenderに持っていくことができるようになります。
5. Marvelous Designerでクロスシミュレーション
ここからが本番です、ひたすらPCに負担をかけます。
普段は、シミュレーション→破綻→MMDでモーション修正して再度Alembic書き出し→最初からクロスシミュレーションをひたすら繰り返して作ります。
が、それだと時間が大変なので、今回は破綻する大きな原因である腕を切ります
( ´。•̥ – •̥。` )
これで3分半分のシミュレーションが4時間で終わりました。普通は一週間かかっても1分のシミュレーションが終わらないのでかなりの速度です。(なので腕と布との衝突がなくなってます。当然だけど…)
ちなみにMDはシミュレーション結果のセーブができないので、数日かけてシミュレーションしても途中でパソコンが落ちたら全ておしまいになります。おしまいになったやつがこれとこれです
6. Blenderで調整してレンダリング
あとは全部合わせてレンダリングするだけです!!!
しかし
なんか服と体がずれてる…
稀によく起こる、MDで書き出したAlembicの位置がちょっとずつズレるやつです。フレームレートの問題でもコマ落ちでもなく、キャラクターが移動するタイミングで位置が少しずつずれたり同じになったりするやつ…
仕方ないので1フレームごとに見て、キーフレームで服の位置を修正しました。このずれる原因なんだろう…
あとはマテリアルをいい感じにして、Cyclesでレンダリングです。できるだけ画質を良くしたかったので、3960*2160を50%で
1フレーム50秒で、6700フレーム………….
レンダリングだけで6日かかったけどどうにか終わった
7. AEで動画編集
あとは書き出したものをいい感じに編集します。
EEVEEで書き出したマスクを使って被写界深度とグローを作って、周辺減光、歌詞のテロップをつけて書き出しです
被写界深度はエクスプレッションを使って、少し前のフレームにおけるキャラのマスク画像のアルファ値から焦点距離を計算するようにしました。ピントのずれの表現がいい感じにできてるはず
作業期間は大体
モデリング:半日
物理演算設定:2日
服制作+クロスシミュレーション:5日
マテリアル調整&レンダリング:7日
動画編集&書き出し:2日
です。元々フルスクラッチではないしシミュレーションも腕を切断したので、実質の制作期間は他のクロスシミュレーションと比べても遥かに短かったです。レンダリングが異常に長かったのと、GPUが異音を上げててPCが壊れるかと思いました….